12日、13日と慶應の三田キャンパスで、第11回Tokyo Conference on Psycholinguisticsが開催されました。
今回の特徴は、TCPの存在がかなり広く知れ渡り、世界各地からの応募と参加が大幅に増えたことです。わたくしの研究室の院生であった小町将之くん(いまは、静岡大学の教員)と2人でほぼすべてを取り仕切った第1回のときとは比べものにならない充実した会議に成長したと思います。
招待講演者は、明治学院大学の平岩健さんとUCLAのSusan Curtissさんでした。平岩さんはDouble-“O” Constraintの本質を探り、極小主義生成文法の枠組みの中での位置づけを求めました。Curtissさんは認知システムが幾重にも重なったモジュールからなる仕組みであることを二重乖離事例などを豊富に示しながら論じました。いずれの講演もフロアとの活発な議論を呼び起こしました。
口頭発表、ポスター発表は、言語理論、第一・第二言語獲得、言語運用(使用)、脳科学などの範囲に及び、対象となった領域も音声学・音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論と多岐に亘りました。
1日目の会議終了後、ファカルティクラブでレセプションが開催されました。乾杯も、スピーチもない、カジュアルな会で、おいしい(と主催者がいうのもおかしいのかな?)料理、飲み物、デザートを楽しみながらの語らいは夜遅くまで続きました。
今回は日程が一部、京都で開催された言語の起源と進化の国際シンポジウムと重なり残念でしたが、TCPの着実な成長を実感した会でした。
来年の会議は3月11日と12日を予定しています。論文募集をはじめ、関連する案内は例年どおり、このブログおよび研究室のHPに掲載します。ぜひご参加下さい。
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