以前、漢文の文法の基礎を説いた良書はないものかと書いたことがあります。龍谷大学の田尻英三さんがそのことを記憶しておいてくださって、さきほど、以下の本を紹介してくださいました。
二畳庵主人加地伸行『漢文法基礎—本当にわかる漢文入門』講談社学術文庫
じつは、この本、昨年10月に出版されたもので、出てすぐ、買い求めて読みました。わたくしが期待していたとおりの本でした。もっと早くご紹介すべきでした。すみません。
この本、もともと増進会出版から出ていたものをもとにしたもので、もとの本は受験生や受験界関係者の間では評判になっていたそうです。そういえば、伊藤和夫さんの『英文法教室(新装版)』研究社も出たようで(こちらは注文済みですが、未入手。単なる「新装版」なのかもしれません)、偶然かもしれませんが、うれしいことです。
さらに、そういえば、ですが、赤尾好夫の『英語の綜合的研究』と豆単(いずれも旺文社)の復刻版も出ました。こちらはどちらかというと蒐集家用かもしれませんが、『研究』で取り上げられている文章を読むと、こんな英文と格闘していれば、英文読解力は間違いなく鍛えられるはずだと思いました。ただ、以前はその方法が十分に練られていなかったのが問題だった。それを対象の英文が原因と勘違いしたのが、不幸の始まりかもしれません。
念のために書き添えておけば、英文読解の素材となるものに英語文化の反映があること自体を問題視する反英語教育主義者もいますが、それは違うと考えます。問題は均衡で、子どもたちが英語文化以外の異文化にも触れる機会をきちんと保証することが大切なのです。
思わぬところまで話が及びましたが、最初にあげた本、良書で、しかも、文庫本ですので、(比較的)安価(文庫本なら、もう少し安くしてほしい)です。
Comments