9月19日・20日、軽井沢にてゼミ合宿が行われました。
今年は、「聞くしくみ」についてご研究されている加藤宏明先生(独立行政法人情報通信機構)をお招きし、1日目の午後に講義を行っていただきました。
講義のトピックは、①『コンピュータの「耳」は人の「耳」より上手に外国語音声を評価できるようになるか?』、②『日本語長短音素対立に対する母語話者と非母語話者の知覚手がかり』の2つでした。
トピック②では、「ハケン(派遣)」「ハッケン(発見)」、「地図(チズ)」「チーズ」を、日本語母語話者は容易に判別できるのに対して、非母語話者は判別するのが難しいのはなぜかということについて、知覚方法の違いから説明していただきました。このトピックも大変興味深かったのですが、今回はトピック①についてレポートしたいと思います。
トピック①の概要は、コンピュータの「耳」と人の「耳」では、なぜ音の長さの捉え方が違うのかを解明し、コンピュータの「耳」で外国語音声の評価をするのに役立てていくというものです。
母語話者とのインタラクションなしで外国語の発音を習得することは比較的難しいですが、この研究が進展することで、コンピュータの「耳」が人の「耳」と同じように外国語音声を評価できる日が来るかもしれない、とおっしゃっていました。
無意識に行っている発音を明示的に教えることができる母語話者は少ないので、当該外国語の母語話者が少ない環境においてはもちろん、母語話者が多くいる環境においても、このようなコンピュータの「耳」は役立つのではないかと思いました。
最後に研究室のメンバーから、「こんな機能があったらもっと習得が進むのではないか」といった意見も出され、終始、質問・意見が絶えない講義でした。
講義の後は、おいしい夕食を食べ、飲み会をしました。加藤先生は研究室メンバー特有の変なノリにも快くつきあって下さり(私の記憶している限り、変だったのは一人だけですが…笑)、とても楽しい時間を過ごすことができました。その様子が写真からも大いに伝わるのではないかと思います。
加藤先生、本当にありがとうございました。
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