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美加 五十嵐

「ことばの国」で子ども達が“ことば”と遊びました! in 埼玉県立総合教育センター

更新日:2020年3月21日

大津研究室訪問講師の渡辺香代子です。


10月20日(土)に埼玉県立総合教育センターで「集まれ!センター探検隊」という、地域の方々へセンターを一般公開する催しが開かれました。センター内の各研修室を利用し、33のブースが並びました。例えば、「国際協力機構JICA地球ひろば」では、国際理解や国際協力、環境問題に関する展示物を通して、地球市民としての視野を広げる体験ができます。「日本科学未来館」ブースを訪れると、「自然界や建物などに現れる曲線の秘密」や「インターネットで情報を伝える仕組みに関する簡単なワークショップが体験できます。また、技術室ではMy箸作り、被服室ではクリスマスに向けて、オリジナルリース作りなどに挑戦できるようになっています。子ども達はそれぞれ、興味を持ったブースで足を止め、作品作りや科学の秘密などにふれるなどし、楽しく一日を過ごしていました。

我が大津研究室も、「東京言語研究所」の出展する「ことばの国」のお手伝いをさせていただいてきました。スタンプラリー形式のこの「ことばの国」では、子ども達が“ことば”に関するクイズやなぞなぞを解きながら、“ことば”の持つ面白さや不思議を体験できるようになっています。初めての出展だったので、どれぐらいの子ども達が興味を持ち、挑戦しに来てくれるだろうと心配をしましたが、午前10時の開始とともに、たくさんの子ども達がやってきて、3時間の間に、なんと100人を超える子ども達とその保護者のみなさんがスタンプラリーに挑戦をしてくださいました。大盛況だった「ことばの国」を、このブログをご覧のみなさんも、ぜひ体験してみてください。では、「ことばの国へ、Let’s go!」


【① あいまい性】「2匹の犬と猫」・・・

 3通りの状況が思い浮かびますか?

  1) 2匹の犬と1匹の猫

  2) 1匹の犬と1匹の猫

  3)     ?




【②回文】前から読んでも後ろから読んでも同じになることばや

文章を作ろう!

 子ども達から出た面白い回文 「渋い武士」「水筒とイス」

 子ども達に人気だった回文No.1「寝ると太るね!」

 子どもは、楽しい回文作りの名人ですね!





【③複合語】「バナナわに」と「わにバナナ」

一体、どんなわに?どんなバナナ?

 身近な物や動物を組み合わせて、子ども達はそのイメージをわかせました。兄弟が挑戦したのは・・・・・・・・「時計たぬき」と「たぬき時計」。お腹をたたいて時を刻むたぬき・・・かな!?





【④「○は●だ。」“うなぎ文”】

「お父さんは右腕だ。」・・・お父さんは、右腕?

 この文には2通りの状況が考えられます。子ども達からは、

 こんな例が出てきました。「お父さんは、会社で社長さんの

 “右腕”(頼りにされている部下)なんだよ。」「夫婦げんか

 をして、けがをした。お母さんは左腕、お父さんは右腕を。」



【⑤「トラさん達」】このなぞが解けますか?

 動物園で「トラさん達が逃げたぞ!」と大騒ぎ!でも、“逃げたトラ”は一匹だけ。そんなことってあるのでしょうか?子ども達は、このヒントで「あっ、そうか!」となぞを解いていました。そのヒントとは・・・「桃太郎さん達が、鬼ヶ島へ鬼退治に行きました。」分かりましたか?このなぞが解けた方は、英語の「tigers」と比較をしてみてください。




 日頃、私達は何気なく日本語を使っています。改めて「考えてみる」ことは、普段あまりしませんよね。しかし、ちょっと角度を変えてながめてみると、その不思議、面白さ、“ことば”が持つ仕組みの素晴らしさに気づくことができます。こんな気づきが、子ども達の的確であったり、より豊かに表現できる日本語につながっていってほしいと思っています。当日「ことばの国」には、一日何回もの「これ、僕、知ってる!言えるよ!」「あっ、なるほど!」「そういうことね!」という声が響いていました。そんな、子ども達が気づいた時に挙げる驚きの声や輝かせた目に多く出会えた私達も、改めて、“ことば”や“ことばを使える人間”の素晴らしさに気づかされました。“実りの秋”の一日でした。







【付記 10/26/12】   写真に大津が出てこないなと不思議にお思いの方、そうなんです、大津はこの日、この意義あるイベントに参加できなかったのです。この数日前から膝に違和感を覚え、膝を休ませていたのです。なお、おかげさまで、その後、治癒しました。

 このような試みがじわじわと広がっていくのを目にするのはこの上なくうれしいことです。今後もこうした地道な努力を重ねていきたいと思います。

 今回のことばの国企画はラボ国際交流センターの杉沢智子さんの献身的な努力があってこそのものです。また、上尾鷹の台高校校長の齋藤菊枝先生、言語文化研究所訪問講師の西浦大治郎先生、同訪問研究員の渡辺香代子先生のご支援にも心から感謝いたします。そして、院生の児玉菜穂美、五十嵐美加、ゼミ生の熊野さゆり、誇りに思います。(大津由紀雄)

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